NHK 「日本のこれから 核」を見た [核と平和と田母神氏]
昨日放送の「日本のこれから 核」を録画で見た。
多くの論点で議論がなされているが、
まさしく8月9日の「たかじんのそこまで言って委員会」と同じ構造である。
一方は国際の力学すなわち現実
他方は被爆の恐怖すなわち感情
しかし、三宅・武内両司会者の交通整理もあってなかなか突っ込んだ論議ができた。
また、アメリカ・インド・パキスタン・中国など外国人の参加もあり、印パの核武装の効用など国際の現実に立脚した迫力ある意見だった。
この中で特に目の止まったところを紹介する。
確かに何十年後の理想を描くのは大切だが、そののために、いま現実にある脅威に目をつぶる事は無責任なことだ。
そのための僕の立場は、米国の核の傘を引きつづき有効に保持することだと思う。
「ニュークリアシェアリング」という発言もあったがこれも含めてしっかり論議すべきだ。
言われてみれば、確かにスターリン当時の東西の軍事バランスは、核戦力は西側優勢、通常戦力は東側優勢だった。
そういう中で世界が反核に動けばソビエトにとって有利となる構造だったわけだ。
原爆忌の広島で北朝鮮や中核派を擁護するデモ隊が行進するというのもこれを裏付けている。
三宅アナウンサーの締めは
「核は恐い」は個人の感情だ。
しかし、責任ある政治はその恐怖と向き合い、現実の外交を戦っていかなければならない。
「戦争反対」の声に押されたチェンバレン英首相がヒトラーの台頭を抑えきれなかったことを想起しつつ、現在の日本は北朝鮮や中国との外交を真剣に考えていく必要があると感じた。
多くの論点で議論がなされているが、
まさしく8月9日の「たかじんのそこまで言って委員会」と同じ構造である。
一方は国際の力学すなわち現実
他方は被爆の恐怖すなわち感情
しかし、三宅・武内両司会者の交通整理もあってなかなか突っ込んだ論議ができた。
また、アメリカ・インド・パキスタン・中国など外国人の参加もあり、印パの核武装の効用など国際の現実に立脚した迫力ある意見だった。
この中で特に目の止まったところを紹介する。
核廃絶の理想と、目の前にある現実の両方に対応しなければならない。
確かに何十年後の理想を描くのは大切だが、そののために、いま現実にある脅威に目をつぶる事は無責任なことだ。
そのための僕の立場は、米国の核の傘を引きつづき有効に保持することだと思う。
「ニュークリアシェアリング」という発言もあったがこれも含めてしっかり論議すべきだ。
冷戦期の反核運動はコミンテルン(スターリン)の指示によって始まった。
言われてみれば、確かにスターリン当時の東西の軍事バランスは、核戦力は西側優勢、通常戦力は東側優勢だった。
そういう中で世界が反核に動けばソビエトにとって有利となる構造だったわけだ。
原爆忌の広島で北朝鮮や中核派を擁護するデモ隊が行進するというのもこれを裏付けている。
三宅アナウンサーの締めは
街頭インタビューでも多くの人が核は難しいとかわからないと答えた
核のことをよく知って考えることが必要だ。
「核は恐い」は個人の感情だ。
しかし、責任ある政治はその恐怖と向き合い、現実の外交を戦っていかなければならない。
「戦争反対」の声に押されたチェンバレン英首相がヒトラーの台頭を抑えきれなかったことを想起しつつ、現在の日本は北朝鮮や中国との外交を真剣に考えていく必要があると感じた。
2009-08-16 10:33
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コメント(15)
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NHKにしては公平な番組を作ったのですね。
とにかく、論議すら拒否では話になりません。
太郎さん、アメリカが守ってくれない場合も考えてください。
by さなえ (2009-08-16 22:00)
さなえさん、らっしゃい。
アメリカが守らない場合ですか?
そういう時のために横田や池子やあちこちに在日米軍人や家族のための豪華な住宅があるのです。
いざとなればそこの人達が人質なのだと僕は思います。
なにしろ、ジャーナリスト2人をピックアップするために、大統領経験者をカプセル怪獣の如く使う国ですから。
国家のために戦うべき軍人の家族に対してはそれ以上の考慮を払うでしょう。
それが我が国への安全保障の担保なのだと思います。
by 井関 太郎 (2009-08-16 22:32)
僕も見ました。
とっても難しい内容でしたが
考えさせられる問題でした。
by shige (2009-08-16 23:02)
shigeさん、
お若いうちからこのような課題に取り組めるというのは素晴らしいことだと思います。片方の意見のみならず、様々な意見に耳を傾けてご自身の意見を紡いでいくことが次世代の我が国にとって大切だと思います。
by 井関 太郎 (2009-08-16 23:12)
こんばんは。お邪魔します。
東トルキスタンの話題が出たときの、三宅アナの慌てっぷりが個人的にツボにはまりました。
by まご (2009-08-17 01:15)
おはようございます。
内容を分かりやすくまとめていただき有難うございます。
日本は外交下手とよく言われますが、私は外交の重要性を強く感じています。
by 斗夢 (2009-08-17 05:00)
わたしはまったく違う視点でこの番組を捉えました。
明日から隔日3回連続でこの番組の事を書く予定です。
by U3 (2009-08-17 14:07)
まごさん、今晩は。
東トルキスタン云々への波及は予期していなかったことでしょうね。
斗夢さん、今晩は。
日本の外交が下手なのはご指摘の通りと思いますが…やはり事なかれ主義が根源かも知れません。
U3さん、今晩は。
全く違う視点でのご論考、楽しみです。
僕は自分と違う考え方の方も、暴力革命と宗教以外はウエルカムです。
by 井関 太郎 (2009-08-17 21:42)
私の父親は戦争末期に広島にいたそうです。
そこから、出陣で大陸に渡る途中で終戦、
島根に戻ってきたという話を聞かされました。
ちょっとタイミングがズレれば私はこの世に存在していなかったというわけです。
そして、何の因果か分かりませんが、私は横須賀市育ち。
米軍の核持ち込みに対する抗議行動を目の当たりにして育った世代です。
そんなこともあり、核には人一倍敏感になっている自分がいます。
by 法典 (2009-08-18 01:04)
核の傘、非常にデリケートな話題ですね
太平洋戦争中、日本がアメリカへ攻撃できる戦略核を持っていた
場合、日本への核爆弾の投下を行ったか?という質問をされた
名前はあげられない人がいて、それに対するアメリカの某人物の
答えは聞かないで欲しい、でした
お察しですね
by 釣られクマ (2009-08-18 04:43)
いつも訪問ありがとうございます。
30日まであと少しですね。
by pandan (2009-08-18 05:56)
資源の無い国が世界に強い発言力を持つには
どうしても核保有という風潮になりつつあります
この悪い風潮を打破しない限り、核廃絶は
なかなか難しいかもしれませんね・・・・
ご訪問ありがとうございます☆
( ゚∀゚)o彡°オウエン!オウエン!
by やまがたん (2009-08-18 06:28)
法典さん、おはようございます。
僕の生まれたところも投下の候補に挙がっていました。
様々な思いが交錯するところにこの問題の複雑さがあるのだと思います。
釣られクマさん、おはようございます。
仰るとおりデリケートだと思います。
そのうち更に僕の考えを書きます。
pandanさん、おはようございます。
いよいよ告示ですね。
やまがたんさん、おはようございます。
「発言力のため」だけの核保有論は安直だと思います。
いずれにしてもしっかり論議することが大切だと思います。
by 井関 太郎 (2009-08-18 07:54)
こんにちは。
「ニュークリア・シェアリング」
先月、7月5日の櫻井よしこ氏出演の回。
防衛について考える機会にしていただければと、2本、トラックバックさせていただきました。
よろしくお願いします。
by 元気 (2009-08-20 12:06)
はじめまして。
このまま、日本の軍事力が相対的に下がり続けたなら確実に攻め込まれるでしょう。アメリカだって結局は自分が可愛いのですから、日本の大都市や米軍基地が攻撃されない限り動いてくれないでしょう。そもそも、自分の国は自分で守るのが常識。アメリカ任せにするという考えが先ずおかしい。
そもそも、非核3原則があるのに「核の傘」が機能するわけがない。非核3原則遵守を言っていく人間に限って「核の傘」を当てにしているようだがそれはおかしい。
by ペイン (2009-08-20 18:27)